2025年度「学問への扉」学生調査の結果の概要
【調査目的】
「学問への扉」のさらなる質の向上をめざし、実施した授業の実態についての学生の意識、満足度や能力向上の実感を把握すること、それらの年次比較を行うことを目的として、毎年度同一項目の質問紙調査を行っています。
【調査時期・方法】
受講する学生(おもに1年生)3,390名を対象とした質問紙調査を2025年7月17日から8月31日までを回答期間としてオンラインで実施しました。
なお、今回から「入学時アンケート」等、他の学内アンケートと照合するため、従来の大阪大学教育支援システムKOANによる回収方法ではなく、大阪大学SLiCSセンターのWebアンケートシステムを用いました(回答者数:692名、回答率20%)。
昨年度までに比べ回答率が低い点に留意する必要がありますが、その原因はKOANより学生の知名度が低いシステムに変更したためと推測しています。この点については来年度以降の対応を検討中です。
【調査結果のポイント】
※回答率の低下により、回答がより意欲的な層の学生に偏った可能性もある。
- 授業全体の満足度(5件法)は平均4.32で、2024年度4.29、2023年度4.40、2022年度4.36、2021年度4.39、2020年度4.37、2019年度4.09、であったことから、毎年高い水準を保っている。(問3)
- 授業内容に対する意識および能力向上の実感についても、全般的に傾向は例年どおりであり数値では高得点を維持している項目がほとんどであった。(問11〜問18)
- 特に、意識については平均点が4.84ポイントで、「学問への興味が深まった」(4.99ポイント)、「異なったものの見方を感じられた」(5.06ポイント)、 「学生同士のコミュニケーションは十分にできた」(4.86ポイント)が目立った。(問11〜問18)
- 能力については、「分析的・批判的思考力(クリティカルシンキング)」(4.56ポイント)や、「自由に発想することができる能力」(4.48ポイント)、「問題を発見することができる能力」(4.51ポイント)が目立った。(問19〜問29)
【各項目の概要】
(設問1)当初希望したクラスを選んだ理由(当初抱いていた期待)について、あてはまるものを全て選んでください
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(設問3)実際に今のクラスを受講して(当初の期待に対して)満足度はどのようなものですか?(5件法)
満足度平均4.32(2024年度4.29、2023年度4.40、2022年度4.36、2021年度4.39、 2020年度 4.37、 2019年度 4.09)
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(設問4)研究の面白さを感じられた(6件法)
平均4.87(2024年度4.81、2023年度4.94、2022年度4.90、2021年度4.91、2020年度 4.89、2019年度 4.58)
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(設問5)教員は授業(宿題、課題を含む)にどのような教育方法を取り入れていましたか?
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(設問8)教員から、取り入れた教育方法について十分に説明があった(6件法)
平均4.82(2024年度4.94、2023年度4.94、2022年度4.87,2021年度4.89、2020年度 4.92、2019年度 4.84)
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(設問9)教員は、学生の発言を促すように支援していた( 6件法)
平均4.92(2024年度5.06、2023年度5.11、2022年度5.07、2021年度5.04、2020年度 4.81、2019年度 4.99)
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(設問10)教員は、学生の興味や関心を引き出すように試みていた(6件法)
平均5.00(2024年度5.07、2023年度5.18、2022年度5.12、2021年度5.13、2020年度 5.12、2019年度 4.89)
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(設問11~18)「学問への扉」の効果についての学生の意識(6件法)
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(設問19~29)学生の能力向上の実感(6件法)
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【自由記述における学生の声(一部抜粋)】
「英語能力の向上とともに、論文の読み方やプレゼンの仕方がわかった。コミュニケーション能力が養えた。」(経済学部)
「自分が興味ある分野を自分のみの観点で知るだけでなく、他学部の人との交流を通し、さまざまな価値観をもとに考えることができ思考が深まった。」(外国語学部)
「自分の専門外のことに、新たに興味を持つことができ、より開けた視野を持つことができるようになりました。」(法学部)
「どうすれば他人に分かりやすく伝えることができるのかをしっかりと考え、色々と試してみることができた。」(基礎工学部)
「最近高度に発展し、日常生活にも普及してきている人工知能の手法であるニューラルネットワークについて、その基本的な原理や実装について学ぶことができて、良かったと思います。」(理学部)
「蛍を見に行ったときが特に面白かった。蛍を見れると同時に、ヒメボタルの生息数がなぜ減少しているのかについても学ぶことができ、有意義だった。」(医学部医学科)
【今後の課題】
「生徒同士のコミュニケーションの機会がもう少しあるといいと思った。また、プレゼンテーションの目安時間30分を大幅にオーバーしてしまい、他の人の時間が少なくなる機会が見られたので30分以内で発表せねばならないルールがあるといいと思った。」(外国語学部)
「自分が学びたいと思うものを学ぶ時間にしたいので、第一希望や第二希望の授業を受けられるように改善してほしい。」(経済学部)
「授業ごとの負担をもう少し均一にしてほしい。 友人の話を聞くと、負担の軽い授業と重い授業との差が大きいように感じた。」(人間科学部)
「授業の中で他の学生と関わる時間がもっと欲しいと思った。 実習で生徒が行う手順は明確に示されていることがほとんどだったが、その意味やパソコン上の表示の意味の解説があるときは少なく、何をやっているのかもっと説明が欲しいと思った。」(薬学部)
「履修する時に人気な講義は高倍率になってしまい、抽選から漏れた人は下位希望の講義を受講する必要がある点。前年度人気の講義は、募集人数を調整しても良いのではないか。」(基礎工学部)
「友達の話を聞いていると、他の学問の扉と比べて私の「学問の扉」だけ少し授業外で行うことが重いのかなと思いましたが、それ相応の良い経験となったので、他の「学問の扉」ももう少し授業外での課題などを増やして「学問の扉」同士でそこら辺の差があまり生まれないようにして頂けると嬉しいなと思います。」(工学部)
