ご挨拶

高等学校で探究学習が本格化しています。そのような教育を受けた高校生が大学へ進学したとき、かつて「パンキョー」と呼ばれたような旧態依然とした講義を受けることになっては、「え、大学の授業でこんなものなの?」と思ってしまうでしょう。受験生が入試を終えて燃え尽きるのを漫然と見過ごすのではなく、研究成果を基盤とした高次の学びを提供し、「心のエンジンを駆動させる」しくみが必要だと痛感しています。

本学の「学問への扉」はそうしたしくみをめざす試みのひとつです。自分の専門とは違う分野の教員、学部の異なるクラスメイト、扉を開けた先にはどんな化学反応が待っているのかわかりません。それくらい、スリリングでエキサイティングな「学問への扉」をすべての阪大生が開いています。

全学教育推進機構 機構長
進藤修一

「学問への扉」に込められた
特別な思い

最先端の研究を担う総合大学である大阪大学は、探求を礎とした知の交差に臨む知のコミュニティーを形成しています。新入生が、この知の社交空間の一員になったことを実感できるよう、「学問への扉」は大阪大学のすべての学部・大学院・研究所などの教員が担当します。科目名には、扉を開ければ学問があるのではなく、学問の道に進むためのきっかけにして欲しいという意味を込めて「へ」を入れています。

「学問への扉」の授業に積極的に参加することで、学問の世界への第一歩を踏み出して欲しいと願っています。大阪大学が掲げる、共に考える、共に解決するという「共創」の考え方に研究のプロである教員、学部の垣根を越えた学生と共に触れましょう。

全学教育推進機構 副機構長
宇野勝博

「学問への扉」の狙い

高校までの受動的で知識蓄積型の学びから、主体的で創造的な学びへと転換

学部・学科を問わず、大阪大学で「学び」をスタートさせる学生は、高校までの受動的で知識蓄積型の学びから、主体的で創造的な学びへと転換する必要があります。そこで、「課題・文献など一つの内容をもとにアカデミック・スキルズの指導を含む、大学における学びの基礎科目」として「学問への扉(愛称「マチカネゼミ」)」を設定しています。

この科目は、学生が興味ある内容を学ぶ中で、少人数クラスで異分野の学生とも接し、異なったものの見方や課題解決の道筋を意識する場であり、「教養教育」の出発点となります。また、授業の中でのレポート添削やプレゼンテーション指導などによって、発信力を高めることも目指します。

「学問への扉」の履修により
期待される効果

  1. 01

    学びへの新たな意識

    研究者との直接対話によって喚起される

  2. 02

    専門分野を見る視野の広がり

    専門とする分野以外の研究に感化される

  3. 03

    分野の壁を超える学習意欲の向上

    入学直後に他学部の学生、
    他分野の先生と密に接する体験が育む

「学問への扉」の特徴

全教員担当制で多様性のある授業

「学問への扉」では、大阪大学全体として「全教員担当制」を採用しています。

これは、阪大の助教以上の専任教員すべてが全学教育に携わる体制のことを指します。具体的には、原則すべての学部・研究科・センターにクラスが割り当てられ、それぞれの所属教員が1年ごとに持ち回りで受け持つことで、合計250のクラスが開講されます。

阪大のように規模の大きい総合大学でこのような取り組みを実現することは簡単ではありませんが、⼤学全体で新⼊⽣に「ウエルカム」という姿勢を表そうという阪大からのメッセージでもあります。時間割の関係で学部によって受けられる授業は限られますが、それでも約70クラスから選択できます(希望者多数の場合は抽選)。そのため、「専門ではないけれど興味がある」クラスや、普段は身近でない分野の最新の研究を知ることができるクラスなどを受講することが可能です。

学部混合で「違う視点」を知る

授業によって割合こそまちまちですが、文系と理系の学生が半々のクラスも!そんな学部混合の意義は、多様な意見を交わすことにあります。同じ話題でも理系と⽂系や専攻によって見え⽅が全然違うことがあります。何が正しいということではなく、別の視点があるという気づきがあるだけで、その後の学び⽅、考え⽅、視野の広さが⼤きく変わってきます。

各学部で専門性はしっかりと身に着けられるからこそ、学部1年⽣の段階で異分野に触れ、主体性や想像⼒を育てるきっかけを作ることをめざすのが「学問への扉」です。

また、多様な関心をもつ学生同士が出会える貴重な場でもあり、新入生にとっては専攻とも部活・サークルとも異なる、新たなネットワークを広げるきっかけにもなっているようです。

「学問への扉」の実施体制