2024年度「学問への扉」学生調査の結果の概要
【調査目的】
「学問への扉」のさらなる質の向上をめざし、実施した授業の実態についての学生の意識、満足度や能力向上の実感を把握すること、それらの年次比較を行うことを目的として、毎年度同一項目の質問紙調査を行っています。
【調査時期・方法】
受講する学生(おもに1年生)3,331名を対象とした質問紙調査を2024年7月18日から8月31日までを回答期間としてオンラインで実施しました。
なお、今回から「入学時アンケート」等、他の学内アンケートと照合するため、従来の大阪大学教育支援システムKOANによる回収方法ではなく、大阪大学SLiCSセンターのWebアンケートシステムを用いました(回答者数:917名、回答率28%)。
昨年度までに比べ回答率が低い点に留意する必要がありますが、その原因はKOANより学生の知名度が低いシステムに変更したためと推測しています。この点については来年度以降の対応を検討中です。
【調査結果のポイント】
※回答率の低下により、回答がより意欲的な層の学生に偏った可能性もある。
- 授業全体の満足度(5件法)は平均4.29で、2023年度4.40、2022年度4.36、2021年度4.39、2020年度4.37、2019年度4.09、であったことから、毎年高い水準を保っている。(問3)
- 授業内容に対する意識および能力向上の実感についても、全般的に傾向は例年どおりであり数値では高得点を維持している項目がほとんどであった。
- 特に、意識については平均点が4.84ポイントで、「学問への興味が深まった」(4.96ポイント)、「異なったものの見方を感じられた」(5.08ポイント)、 「学生同士のコミュニケーションは十分にできた」(4.92ポイント)が目立った。(問11〜問18)
- 能力については、「分析的・批判的思考力(クリティカルシンキング)」(4.54ポイント)や、「自由に発想することができる能力」(4.53ポイント)、「問題を発見することができる能力」(4.52ポイント)が目立った。(問19〜問29)
【各項目の概要】
(設問1)当初希望したクラスを選んだ理由(当初抱いていた期待)について、あてはまるものを全て選んでください
(設問3)実際に今のクラスを受講して(当初の期待に対して)満足度はどのようなものですか?(5件法)
満足度平均4.29(2023年度4.40、2022年度4.36、2021年度4.39、 2020年度 4.37、 2019年度 4.09)
(設問4)研究の面白さを感じられた(6件法)
平均4.81(2023年度4.94、2022年度4.90、2021年度4.91、2020年度 4.89、2019年度 4.58)
(設問5)教員は授業(宿題、課題を含む)にどのような教育方法を取り入れていましたか?
(設問8)教員から、取り入れた教育方法について十分に説明があった(6件法)
平均4.94(2023年度4.94、2022年度4.87,2021年度4.89、2020年度 4.92、2019年度 4.84)
(設問9)教員は、学生の発言を促すように支援していた( 6件法)
平均5.06(2023年度5.11、2022年度5.07、2021年度5.04、2020年度 4.81、2019年度 4.99)
(設問10)教員は、学生の興味や関心を引き出すように試みていた(6件法)
平均5.07(2023年度5.18、2022年度5.12、2021年度5.13、2020年度 5.12、2019年度 4.89)
(設問11~18)「学問への扉」の効果についての学生の意識(6件法)
(設問19~29)学生の能力向上の実感(6件法)
【自由記述における学生の声(一部抜粋)】
「課題に対して事例や反例を挙げて考察するという事にあまり取り組んだことがなかったので、そういった活動を行えて勉強になり、楽しく学ぶことができました。」(外国語学部)
「最新の研究を教授自身から説明を受けることができたのは、とても貴重で良い経験になりました。」(工学部)
「今まで気付かなかった視点や高校までは習わなかった知識を得ることができて良かった。同じ講義を取っている人と話すことで、考え方を深めることができた。」(法学部)
「非常に少人数で、先生方が一人ひとりをよく見てくださるので、安心してプレゼンテーションができました。」(歯学部)
「他学部の学生と友達になれたことが「学問への扉」を受けて1番良かったことだと思います。授業の内容も、アカデミックライティングについてやプレゼンについて詳しく教えていただけたので、これからの大学生活の始まりの授業で受けてよかったです。」(文学部)
「今後学ぶ機会がないであろう分野について、各内容の日本トップの先生から教えてもらえて非常に良かった。今後、生きていくうえで人生が豊かになるような知識を得られてよかった。」(医学部保健学科)
【今後の課題】
「生徒の挙手がなかなかない時は名指しで指名しても良いと思った」(経済学部)
「最終発表のプレゼンテーション方法について十分な説明がなく、発表日当日の発表直前に説明され対応できなかったので、事前にしっかり説明していただきたかったです。」(医学部保健学科)
「人によって、「学問への扉」に対する熱量が異なるように感じたので、全ての学生が熱意を持って授業に参加する事ができるようになればいいなと思います。」(法学部)
「ゲストの方のお話を聞けたことは、とてもよかったがその内容に関してクラスの人との話し合いの時間や、先生からのフィードバックをもらえたら更によかった。」(理学部)
「他の生徒との意見交換をもっとできたら良かったなと思う。」(外国語学部)
「秋冬学期も「学問への扉」があって良い。」(工学部)