• 理系
  • 薬学
  • 2019年度

医療・医薬の歴史と未来

担当教員:高木 達也先生(薬学研究科)

担当教員の狙い

  • 専門の授業ではできない幅広い知識と興味を必要とする学問分野を知ってほしい!

  • 総合科学である薬学を様々な視点から見てほしい!

ここがオモロイ!!

  • 学生を動機づける方法!

  • 学生の個人用ノートパソコンを活用する!

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法

授業外学習
1

講義

 
2

講義

 
3

講義

発表準備
4 発表 発表準備
5 発表  
6 講義  
7 講義 発表準備
8 発表  
9 講義  
10 講義 発表準備
11 発表 発表準備
12 発表 発表準備
13 発表  
14 講義  
15 まとめの議論
レポート作成学びのプロセスと教授法

授業の概要

私達は現在もなお、未知で不治な疾病に出会うことがあります。
過去にはそれはもっと多かったはずです。しかし、例えば、東洋と西洋では、少し医療の歴史は異なっています。
ここでは古代、中世、近代に、人類がどのような疾病と戦い、時に打ち勝ち、時に敗北してきたかを調査し、東洋と西洋の差異等について考えを巡らすことにより、未来の医療の在り方を考えます。授業は、講義と学生のグループによる発表で構成されます。

学生を動機づける方法!

薬学を学ぶ上での工夫

インタビューにおいて、先生は「薬学は総合科学だから、医療について様々な視点から見ることができる」と、お話し下さいました。
授業では、学生がテーマに設定した医療問題に関して、自分たちで情報を探索し、考察を加えた発表が行われます。
授業観察当日は【出生前診断・遺伝子検査・代理母出産・緩和医療と様々な死】といった内容で発表されていました。
発表内容は全て、医学だけの問題ではなく、法学・経済学・その他の分野からのアプローチが用いられていました。
このような授業の構造自体が、薬学という学問の総合性を伝えるメッセージとなり、様々な学部の学生が、薬学の問題に取り組むことを可能にしています。
学生発表は、多くが4人一組のグループで、各班20分の持ち時間でプレゼンテーションならびに質疑応答を行います。その後、先生からのフィードバックがあります。
先生からのフィードバックは、発表の内容に関連する知識や、異なるアプローチからの視点など、さらに発表を深めるような内容となります。
フィードバックの内容は、追加の知識を伝えるだけでなく、学問をどのような切り口でみるのかという先生の思考形態や、薬学研究にどのように位置づくかという構造が示されます。
講義の内容に基づいて、学生自身で課題を探求する方法もありますが、このように学生が発表した内容について、追加の講義を行うと、学生の興味はさらに深まる場合もあると考えられます。
このように、講義と学生の探究活動の順番を工夫することも、学生の興味喚起につながります。

様々な背景を持つ学生の動機づけの工夫

本授業の受講生は、医歯薬系学部、その他の理系学部及び、文系学部の学生が混在しています。
一つの医療問題について、様々な見方ができることは上にも述べましたが、授業内で扱われた歴史的な事象については、医歯薬系学部以外の学生が活躍していたようです。これは、学部によって入試の形態や課される科目が異なっており、入試に必要な科目として歴史を選択していた文系学生が、歴史に関して深い知識を持っていることに起因していたようです。
本授業は、薬学の内容の授業ですが、シラバスには「歴史的なことを扱う」ことが記載されており、その詳細を読んだ上で、希望した学生も多かったようです。
ここから、学生は、シラバスをよく読み、授業選択の参考にしていることが分かります。

一方で、理系学部の学生に対しても、さらに動機づける工夫がなされています。
最終レポートを複数のテーマから選択できるようなっており、さらに深く学びたい学生には専門性の高いテーマに挑戦できるようなオプションが設定されています。
また、さらに学びたい学生のための追加課題も設定されています。

学生の個人用ノートパソコンを活用する!

大阪大学では、2019年度の学部新1年生から、授業において教員からノートパソコンを持って来るよう指示があった際には、持参できるようにノートパソコンの準備することとなっています。
本授業は、講義用の教室で実施されていますが、様々な形で学生の個人用ノートパソコンを活用されています。
一つ目は、授業での配付資料をCLE(授業支援システム)上で配付し、学生は自分自身でダウンロードして授業に参加する点です。
CLEを活用すると、学生は手元で容易に資料を蓄積することが可能になり、教員も印刷の手間が省けます。
二つ目は、本授業では学生発表の際、パワーポイント等、原則的にスライドを用いることが求められることから、学生は、日常的に個人用ノートパソコンを持参して、スライドを作成したりする点です。
三つ目は、ODINS(大阪大学総合情報通信システム)で無線LANに繋ぐことができる講義室を利用して、発表のための資料作成などにあたり、学生が自分自身で様々な情報を検索する点です。
個人用ノートパソコンの持参を求めると、学生は、資料の探し方等、参加体験的に学ぶことができます。