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  • 2022年度

それって10の何乗?

担当教員:山中 卓先生、廣瀬 穣先生、南條 創先生(理学研究科)

担当教員の狙い

・すぐネットで検索ではなく、自分で考えられるようになってほしい
・概算はものごとを考えるのに役立つ!

ここがオモロイ!!

・概算のしかたがわかる!
・議論をとおして身近な問題を定量的に考える!

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法

授業外学習

イントロダクション  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク 発表と全体議論  
講義 グループワーク

発表と全体議論

 
10 講義 グループワーク

発表と全体議論

 
11 講義 グループワーク

発表と全体議論

 
12 講義 グループワーク

発表と全体議論

 
13 講義 グループワーク

発表と全体議論

 
14 講義 グループワーク

発表と全体議論

 
15 講義 グループワーク

発表と全体議論

期末レポート

授業の概要(シラバスより引用)

 今世界中で飛行機は何機飛んでいるのか、人間は何個の細胞でできているのか、日本に発電所は何個あるのか、1kgあたりのエネルギーはガソリンと電池で何倍異なるのか。こうした質問をされると、ついついネットに頼りがちですが、実は簡単な知識と考え方で桁くらいは概算できます。そのような概算のしかたを身につけると、世の中の議論や主張が正しいかどうかも判断できるようになります。授業では、様々なこうした問題について、議論しながら概算します。

概算のしかたがわかる!――自ら考え判断できるようになるために

 本授業では、身近な事例や素朴な疑問を題材に、グループで自分たちの知識を駆使して議論しながら概算の考え方を身につけていきます。より具体的にいうと、毎回の授業では「ガソリン1キログラムで得られるエネルギーは何ジュール?」などの3つほどの問いが出され、毎回異なる4人ほどのグループで答えを考えます。高校で学んだ物理や数学を忘れていても、クラスメイトの力を借りながら1つ1つ段階的に問いについて考えていくことができます。
初回の授業では10のn乗の考え方について復習し、それから数回は「あるラーメン屋さんでの待ち時間はどれくらいか?」「音楽フェスをするとしたら、トイレは何個必要だろうか?」など、一般的な常識の範囲内で考えられる身近な見積もりで基礎的なトレーニングを行うため、文系学部の学生でも楽しく概算の考え方を学ぶことができます。総まとめとして、期末レポートでは、自分たちで概算の問題例を考えて出し合い、他の人が考えた問題を学んだ方法をふまえて、より実践的に概算できるかを腕試しします。
 概算の考え方を学生に学んでもらおうと先生が思った背景には、新型コロナウイルスの流行など「今まで起こらなかったことが起こる」社会において、何でもネットで検索してその情報を無批判に受け止めてしまうことへの問題意識があります。概算の考え方は、これから学生たちが「本当かな?」とネットやメディアの情報を疑って自分なりに考え、その正しさを判断する際に大きな力となるはずです。

議論をとおして身近な問題を定量的に考える!――いろんな人と意見に触れる

 本授業の「学問への扉」らしい特徴としては、グループワークが中心であるという点が挙げられるでしょう。グループで議論するなかで、自分の知識を他者に伝える力を磨きつつ、他者の自分とは違う考え方や発想に触れることができます。複数の考え方や解答が想定される問いについては、予め2つ以上の解答を示すようにという指示を出すことで、物理や数学が得意な学生1人がリードするようなグループワークではなく、いろんな人が考え意見を出せるような工夫がなされています。ちなみに、グループは毎回誕生月やコイントスなどの身近な数字を使ってランダムに決定されます。こうした細かなところからも数字のおもしろさ・身近さを伝えたいという先生の想いが伝わってきます。
 グループワーク中は先生も各グループをまわりながら、時にはその議論に加わります。そうすることで、学生の雰囲気や議論の進捗を感じながら、まさに「ゼミ」として教室全体で問いについて考えを深めていきます。問いの解答については、ある程度各グループの議論がまとまったところでそれぞれ黒板に書きます。学生がその解答に至った考え方を発表しながら、先生が解説や質問を加えます。そのような学生間や学生・教員間のやりとりのなかで、同じ概算の考え方にもとづきつつも、自分たちの解答とそれとは異なる解答、さらに妥当な解答との解答プロセスの違いを確認することで、身近な状況や情報を定量的に考える力を磨いていきます。

※授業観察・インタビュー実施日:2022/07/22