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  • 2023年度

映画や文学にみる医学

担当教員:岡村 康司 先生、三好 智満 先生、大河内 善史 先生、猿渡 正則 先生、河合 喬文 先生、好岡 大輔 先生(医学系研究科)

担当教員の狙い

  • 健康や病気について、生理および病理現象として、冷静かつ論理的に考えようとする医学リテラシーを高めてほしい
  • 医学リテラシーが自分や周りの人の人生において重要であると認識してほしい
  • 他者の意見を理解し、⾃分の気持ちや考えを表明する能力を身に着けてほしい

ここがオモロイ!!

  • 映画や文学を題材として医学的「問い」に向き合う!
  • 議論をとおして意見の表明や判断ができるように!

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法 授業外学習
1 イントロダクション 個人での発表の準備
2 講義
3

講義

4 講義
5 講義
6 発表と全体議論
7 発表と全体議論
8 発表と全体議論

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発表と全体議論

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発表と全体議論

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発表と全体議論

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発表と全体議論

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発表と全体議論

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発表と全体議論

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まとめ 事後レポート

授業の概要(シラバスより引用)

 医学は生と死に向き合う学問であり、医療は医学に基づく社会としての活動です。人の健康や病気は、かつて感染症によって人口の三分の⼀が短期間に減少したり、歴史や社会や経済状況を変える大きな影響があると同時に、限りある命を全うするすべての個人に切実な問題です。また皆さんの人体はまだまだ解き明かされていないことだらけで、火星にロケットを送ることができる現代でも細胞一つすら人工的に作ることができません。その意味でもっとも身近な宇宙ということができます。

 皆さんがこれからの人生で、⾃分や家族や親しい友人を大切にしながら生きていくためにも、適切な医学や健康についての知識をもち、興味をもつことは大きな意義があります。これは医療や生命科学に携わるひとに限った話ではありません。本授業では、映画や文学などを題材にして具体的な病気の例、医療の例をみながら、医学や健康に関心を向けてもらい、医学における「問い」を考える機会を作ることで、生き甲斐のある人生に向けた医学リテラシーへ誘うことを目的としています。

映画や文学を題材に医学的「問い」に向き合う!

 本授業では、医学に関する物語や伝記などを題材に、そこで描かれた病や感染症、医療行為、生死に関する医学的・社会的・倫理的問いについて、考えを深めていきます。普段あまり本を読まないという人も、先生方がリストアップした小説や映画の中から自分が気になる作品を選ぶことができます。

 個人発表の際には、発表担当の受講生が作品の概要紹介と気づいた点や疑問を発表します。発表者は、自分の経験や現代社会の状況とも関連づけながら、「動物実験は許されるのか」「感染症にどのように向き合うのか」などの問いを提起します。それらの問いをもとに、司会の学生がファシリテートを行いながら、受講生が互いに意見や新たな疑問を述べて議論を深めていきます。フィクションを含む作品を題材とするために、その状況描写だけでは議論が深まりにくい場合には、先生が専門的な見地から知識の提供や補足説明を行いサポートします。

 受講生は医学部ではないケースがほとんどで、学部1年次ということもあり、いきなり深い議論をすることは容易ではありません。しかし、小説や映画という作品をきっかけに、登場人物の思いやその世界観をヒントにすることで、社会や文化、人間関係といった他の要素とも関連づけながら、医療や医学について関心を深めることが可能です。

議論をとおして意見の表明や判断ができるように!

 受講生が主体となって、発表者の問いをきっかけに意見や情報を交わしながら自分の意見や考えを深めていくプロセスは、日常生活ともつながります。新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)への対応についても言えるように、自分がどう行動すべきかを判断するためには、正しいと思われる情報を集める必要があります。それでは、どのようにしてその情報を集めるかということを考えた場合、とくに医学的な判断については自分だけで判断することは難しいでしょう。また、正解がないような状況も多くあります。

 そこで、単に専門家のように医学的な知識が豊富であるということではなく、いろんな人が議論をしている内容から自分なりに判断していくための医学リテラシーの力を本授業では養います。この医学リテラシーの力は、自然科学だけでなく人文科学や社会科学も含めて、「科学」の考え方を今後磨いていくことにも寄与します。

 学生はとくに入学から間もない時期には、自分の意見を発表することに苦手意識があったり、他者の意見に流されやすかったりすることも少なくはありません。「学問への扉」では17人という少人数クラスであるため、学生同士が交流する機会、および、司会や発表者、質問者になる機会を確保することが可能です。本授業でも、受講生が主体となって発表や議論を重ねるうちに、次第にプレゼンテーション・スキルにも向上が見られ、積極的に発言しやすくなっているということでした。

※インタビュー実施日:2023年7月18日