• 理系
  • 工学
  • 2022年度

5Gに支えられるこれからの社会

担当教員:三瓶 政一先生、高橋 拓海先生(工学研究科)

担当教員の狙い

  • 科学技術への「興味」を維持して今後の学びにつなげてほしい
  • それぞれの関心から5Gについて調べ、理解を深めてほしい

ここがオモロイ!!

  • あえて社会での活用や一般論から科学技術を考える!
  • いろいろな所属の学生との本格的なディスカッション!

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法 授業外学習
1 イントロダクション 個人プレゼンテーションの準備
2 講義 全体議論
3 講義 全体議論
4 講義
5 発表と全体議論

6

発表と全体議論

7 講義
8 発表と全体議論
9 発表と全体議論
10 講義

11

発表と全体議論

12 発表と全体議論
13 講義
14 発表と全体議論
15 発表と全体議論

授業の概要

 第5世代携帯電話システム(5G)について、技術的視点からというよりその活用、社会展開に視点を置き、我々の生活とどのように関係して意向としているのか、生活がどのように変化するのかなどについての理解を深めていきます。具体的には、スマートファクトリ、スマート農業、スマートシティ、自動運転といったトピックを扱います。これら個々の技術分野の概要説明を受けて,受講生が各自インターネットなどで関連事項を調査し、パワーポイントファイルを作って短いプレゼンテーションを実施するとともに、受講生同士で発表内容を議論してその分野の理解を深めることを目的としています。

あえて社会での活用や一般論から科学技術を考える!
――新入生のフレッシュな「興味」を今後につなげるために 

 高校生の方も5Gはメディアなどで耳にしたことがあるでしょう。そうした身近な科学技術について、新入生が抱いている興味をぜひ今後の大学での本格的な学びに活かしてほしいという思いから、先生方はこの授業を行っておられます。5Gに関して、スマートファクトリ、スマート農業、スマートシティ、自動運転といった近年ホットなトピックについて扱うのも、それぞれの科学技術の応用について単なる専門的な視点だけではなく、より社会一般とのかかわりのなかで主体的に理解を深めることが目的だからです。
 もちろん、それぞれの技術についてよく知らなくても、各トピックについて本格的に議論をする前に、先生からは基本的な仕組みや概要についての説明があります。その講義のなかには、トピックについて理解を深めるうえでの幅広いキーワードがちりばめられていて、「やっぱりおもしろい」とさらに興味を引き立てられます。受講生は、そこで体系的に各トピックについて理解したうえで、キーワードをもとに自分が気になるポイントを選んで、さらに各自で調べながらプレゼンの準備をしていきます。受講生の所属学部がさまざまな「学問への扉」だからこそ、1つのトピックでも各自が自由に設定した発表テーマは多岐にわたります。
 たとえば、工学部系の学生は技術そのものについて踏み込んだ発表することが多い一方で、文学部であれば思想や倫理的な点、経済学部であれば採算やビジネス的な点から、その技術をとらえる発表をすることがあるそうです。自分の興味や気になったポイントについて調べてきたことを伝えたい!という思いにより、それぞれのプレゼンでは自分の経験や動画などを織り込んでおり、個性あふれる力のこもったものでした。
 このように様々な領域が重なりあう5Gというテーマを扱うからこそ、あえて一般社会という広い視点でとらえ、各自の興味を活かした多角的・学際的な学びを行います。ここで磨いた各自の興味は、きっとその後の大学での学びのまさに「扉」となることでしょう。

いろいろな所属の学生との本格的なディスカッション!

 また、3月に高校を卒業したばかりとは思えない本格的なディスカッションもこの授業の特色の1つです。個人プレゼンの後には、そこで出てきた話題を中心にさらなる質問や課題について議論を深めていきます。その議論では、たとえば、「自動運転で交通事故が起きた場合には、誰に責任があり、どのような法的処分が科されるだろうか」など、かなり具体的かつ深い論点が出てきます。それぞれの学生が自身の知識や経験も活かしながら、どのように最新の科学技術を用いて新しい社会を築いていけるのか真剣に議論を交わす姿が印象的でした。
 ちなみに最新の科学技術を一般論として議論することで、文系学部の学生が議論をリードすることも多いようです。先生方もなるべくエンジニアリングな専門用語は使わず、あえてマスコミなどでも話題になるような一般的なキーワードを使いながらディスカッションをすることを意識されているそうです。また、司会も受講生が担当し、先生方は専門的な観点からの補足や解説が必要になるまでは、学生の興味にもとづく自由なディスカッションを見守ります。これらの先生方の工夫のもとで、受講生がそれぞれの興味を活かしながらしっかり授業内容について考え調べているからこそ、学生主体でありながら本格的な大学らしいディスカッションを1回生のうちから行うことができます。

※授業観察・インタビュー実施日:2022/07/13