- 理系
- 基礎工学
- 2019年度
音と画像のデジタル処理
担当教員の狙い
- 実社会との関連を通して学問内容を理解してほしい
- コンピュータ実習で得た知識や技術を他の学習にも活用してほしい
ここがオモロイ!!
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学生の興味や既有知識を知る方法!
- 学生の個人用ノートパソコンを活用した演習の進め方!
コースデザインと学びのプロセス
回 | 学びのプロセスと教授法 |
授業外学習 |
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1 |
講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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2 |
講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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4 |
講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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6 |
講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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7 |
講義・実演 |
内容の復習、音声画像処理実践 |
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8 |
ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
9 |
ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
実習結果のまとめ |
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ミニ講義 |
PCを用いた演習 |
レポート作成 |
授業の概要―(シラバスを一部引用)
信号処理や画像処理の技術は,情報社会の基幹技術としてますますその重要性を増しています。
本授業では、これらの技術の基盤となる理論の説明を受けた後、コンピュータを用いて音声処理と画像処理を実際に体験し、理論をより深く理解することを目標とします。
学生の興味や既有知識を知る方法!
本授業は、信号処理や画像処理の技術についての理論を学んだ上で、実際に学生の個人用ノートパソコンを用いて、音声処理や画像処理の体験をします。受講にあたり線形代数の知識を必要としますが、学生の所属学部によっては、学んでいない学生もいます。
そこで先生方は初回に、受講生がどの程度、授業に関連する知識を有しているのかを確認されています。具体的には、授業で扱う内容のキーワードに関して、どの程度知っているかのアンケートを実施しているそうです。
そして、そのアンケートの結果を踏まえて、専門的な知識を有していない学生がいることを前提に、授業を設計、展開されています。
このように授業内容が、学生の既有知識や高校での学習状況と関連する場合、授業の冒頭で学生に学習経験などを尋ねることで、学生の状況を把握することができます[診断的評価]。
それだけでなく、2回目の授業においては、学生にアンケートの結果をフィードバックし、「知らなくても安心してください」と伝えているそうです。
このような声がけは、初めて学ぶ学生であっても「知らなくても大丈夫」という安心感を得て受講することができると考えられます。
また、授業設計では、既有知識だけではなく学生の興味関心について理解することも重要です。
本授業では、学生との対話を通して、先生が学生の興味を把握し、授業に活用されています。
例えば、ある学生から、専門として学ぶ数学が、実際の社会でどのように役立つのかについて興味があるという声があがったことから、授業の中で意識的に数学の話題を導入されているそうです(例:数学が画像の圧縮にどう活かされているか、スマートフォンの画像は数学的な手法がベースになっている、など)。
ほかにも、経済学を専門に学ぶ学生には、本授業と経済学との接点を示した上で、「将来きっと学びますよ」と声をかけて、動機づけをされています。
本授業では、音声と画像という日常的で身近なテーマを扱っておられますが、これらのテーマが、数学など一見して日常と遠く見える学問と、どのような接点があるのかを意図的にお話されることで、学生はより関心を持って受講できていると考えられます。
学生の個人用ノートパソコンを活用した演習の進め方!
本授業のコースの後半部分では、学生は個人用ノートパソコンを持参し、前半で学んだ理論を踏まえて、実際に自分自身で音声や画像の処理に挑戦します。
大阪大学では、2019年度の学部新1年生から、授業において教員からノートパソコンを持って来るよう指示があった際には、持参できるようにノートパソコンの準備することとなっています。
中には、大きなノートパソコンで持ち運びが大変そうな学生もおられたようですが、全員、演習の環境を整えることができたそうです。本授業では、全員が同じソフトウェアをインストールして演習を行うため、スタートラインは基本的に揃っています。
しかし、パソコンの基本的な操作等、個人によってそのスキルは異なります。
そのため、授業見学当日は、博士課程のTAが、操作に行き詰まる学生に対して積極的に声をかけて適宜サポートする姿が見られました。パソコンを用いる授業やワークに個人差が出る授業では、このようなTAによる個別支援も効果的です。
※TA 経費には限りがあるため、ご希望通りに予算措置できない場合があります。
インタビュー聞き手:全学教育推進機構教育学習支援部 根岸千悠