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  • 2019年度

デカルトの『方法序説』

担当教員:須藤 訓任先生(文学研究科)

担当教員の狙い

  • 知識を身につけるということよりも哲学を楽しいと思ってほしい
  • 1つの書物をじっくり深く読んでほしい

ここがオモロイ!!

  • テキスト精読の方法!

  • 学生との対話の工夫

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法 授業外学習
1

講義

 
2

講義

リーディング課題

3

グループ学習

発表

リーディング課題

4

グループ学習

発表

リーディング課題

5

グループ学習

発表

リーディング課題

6

グループ学習

発表

リーディング課題

7

グループ学習

発表

リーディング課題
8

グループ学習

発表

リーディング課題

9

グループ学習

発表

リーディング課題

10

グループ学習

発表

リーディング課題

11

グループ学習

発表

リーディング課題

12

グループ学習

発表

リーディング課題

13

レポート作成

 

14

ディスカッション

 
15

ディスカッション

最終稿作成

授業の概要

デカルトの『方法序説』を精読しながら、近代的科学の基本思想がどのようなものであり、いかにして成立していったのかを理解するとともに、哲学的ディスカッションにみずから参加する機会を得ることを目的としています。
具体的には、精読を通して、他の受講生や教員とその内容についてディスカッションしながら、哲学的思考の厳密性とその論理的展開を学びます。
あわせて、ディスカッションのための提題を何回もこなすことによって、哲学的テーマに関するプレゼンテーションの仕方を学びます。

テキスト精読の方法!

グループによるテキスト精読の方法

デカルトの『方法序説』を精読し、ディスカッションを通して、理解を深めます。
専門性が高い書物のため、様々な学部の1年生が理解を深めるのは難しいと思われますが、本授業では、学生自身が楽しみながら本を読み進め、理解を深める工夫が施されています。

本授業では、本を単に読んで終わりとするのではなく、1つの書物をじっくりと読むことを目的としており、個人で読んで、グループで議論する時間がたっぷりと設けられています。
具体的な手順として、学生は毎回授業の前までに次の授業で扱う内容を読んでくることが求められます。
授業が始まったら、グループで20分間内容について話し合い、疑問点を発見して、代表者が黒板に書きます。
そして、自分たちで発見した疑問点に対して、45分間のグループでの議論を通して、その解明に挑みます。
議論の後は、自分たちの解決策を代表者が黒板に書いて説明し、他のグループや教員からフィードバックをもらいます。
全員が同じ書籍を読んできていますが、学生によって疑問に持つ点が異なっており、議論は盛り上がりを見せます。とはいえ、長時間の議論は学生のモチベーションの維持が難しくもあります。
先生は、時折、グループごとに話しかけて、議論が行き詰まっているところにアドバイスをされます。
その際、先生は、正しい結論を伝えるよりは、学生自身の主体的な感心を阻害しないように話しかけるのを心がけているそうです。
最終的にはレポートが課されますが、これまで内容について十分な議論がなされているので、学生は、レポートを練られたものに仕上げることができます。

また、授業において、できるだけ多くの学生が発表する機会を設けたいものの、時間的な制約もあり、難しいこともあります。
本授業では、グループの中の取りまとめ役が発表を行うことになっていますが、先生がその取りまとめ役を交代で任命して、できるだけ多くの学生が発表の機会を得られるように設定されています。

学生との対話の工夫!

本授業では、内容の理解を深めるために学生同士、または学生と教員との対話の時間を重視されています。
多くの学生から、たくさんディスカッションがしたいという希望があったため、先生は講義の時間をできるだけ少なくして、自由に議論できるような時間を確保するようにされています。そして、先生は議論中グループをまわり、個別に対話を重ねられます。
その際、先生は学生の名前を呼びかけながら話をされます。
名前を呼ぶことで、より親密なコミュニケーションが図れていると思われます。

また、各グループの発表の際には、学生が提案した疑問と解決策について、先生がそれぞれ考察をフィードバックします。
本授業は、講義のパートはあまり設けられておりませんが、先生のフィードバック自体が哲学を語る際の思考形態になっており、学生はそこから新たな哲学的な見方を習得できると考えられます。
このように、講義という形式ではなくても、教員と学生の対話を通して、思考の方法を伝えることもできます。
この形式は毎回の授業だけではなく、レポートにも適用されています。