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  • 2022年度

映画評を書いてみよう

担当教員:山本 佳樹先生(人文学研究科)

担当教員の狙い

  • 映画に興味をもってほしい
  • 技法には意味がある!身の回りにあふれる映像の観方を知ってほしい

ここがオモロイ!!

  • 普段見過ごしている映像の技法について学べる!
  • 名作から新作、ちょっと変わり種までいろいろな映画の魅力を知ることができる!

コースデザインと学びのプロセス

学びのプロセスと教授法 授業外学習
イントロダクション 事後課題
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 例題にチャレンジ 発表とコメント
講義 グループワーク
10 発表と全体議論
11 発表と全体議論
12 発表と全体議論
13 発表と全体議論
14 発表と全体議論
15 講義 グループワーク 発表と全体議論 期末レポート

授業の概要

 今はスマホから簡単にアクセスできるコンテンツをはじめ、わたしたちの身の回りには様々な映像があふれています。それにもかかわらず、その映像の観方を学ぶ機会は実はあまり多くありません。しかし、古典的な文学作品などと同様、映像の技法にも「意味」があり、研究の蓄積があります。その技法に惑わされて、単なる印象に頼ったり、ストーリだけを追ったりするだけで終わらないように、本授業では具体的な作品例を参照しながらショット分析などの映像技法についての知識を身につけることで、より確かな作品解釈を行いながら映像作品の魅力を深く知ることをめざします。

映画への興味が湧いてくる!
――映画評をとおして知る映像の魅力

 学生のなかにも“映画が大好き!”という人もいるかもしれませんが、本授業の受講生の多くは映画は見るけれどマニアではないし、技法も知らないという人がほとんどです。そのため、本授業では「ショット分析」と呼ばれる技法を中心に具体的な作品のシーンを用いて先生が解説しながら、少しずつ映像技法について学んでいきます。毎回の課題も実践的で、先生が選んだ2分ほどのシーンを見て、例えば映像内でのカメラのアングルや照明の当て方(ライティング)など、その日に学んだ技法に着目して自分でそのシーンを描写してみるということを行います。このような先生の解説や提出した課題への添削を参照しながら、自ら映像を描写してみるという経験を重ねるうちに、次第に描写のなかにある技法、そして作り手の込めた意味が読み取れるようになり、映画の観方・楽しみ方がわかってくるそうです。
 全15回のうち後半の授業回では、それぞれが興味を持った作品を1つ選び、そのなかでも2分ほどの特徴的なシーンに焦点を当てて、そこでどのような技法が使われていて、どのような意味が込めれられているか、自分の解釈を先生と受講生の前で10分ほどのプレゼンをします。プレゼンにあたっては、グループワークをして他の受講生の意見を聞いたり、過去の先輩の例を参考にしたりしながら、各自準備を進めます。プレゼンの後には、受講生一人一人や先生から感想やフィードバックをもらい、いろんな人の意見に触れることができます(なんと先生は、学生が好きに選んだすべての映画を予習されているそう!)。それぞれのプレゼンは映画評としてまとめられ、全員分の映画評を集めた「レポート集」を作ります。いわゆる「名作」映画から近年の話題作、ときにはアニメ映画まで、そのときの受講生の興味や好みに合わせて多様なジャンルの映画をとおして、映像技法のおもしろさ・奥深さを学びます。

映像技法の知識を身につける!
――映像の作られ方をとおして学ぶ「映像リテラシー」

 本授業では、映画のなかのたった2分間のシーンに着目することが多いそうです。確かに映画評というには短いシーンではありますが、山本先生は「2分間にもびっしり技法が詰まっていることを知ってほしい」とおっしゃっています。多くの人が普段日常生活のなかで映像を見る場合には、こんなに1シーンに注目することはないはずです。たった2分間の1シーンに注目して他の人と一緒にじっくり丁寧に映像を味わうということができるのも「学問への扉」だからこそ、でしょう。
 さらに、受講生自身が好きな作品を選んでプレゼンやレポートに取り組むことも、本授業のポイントの1つです。そうすることで取り上げたシーン以外の全体の流れを知っている学生自身が関心のある映画について、授業をとおして学んだ技法の知識をより意欲的・主体的に活かすことができます。このように学生自身の好みや興味を大切にしながら、今後も映像を見る際に役立つような、映像に施された技法とその効果を知り、その映像の意味を解釈する力、いわば「映像リテラシー」を養っていきます。

※授業観察・インタビュー実施日:2022/07/06