2023.04.04
ご報告

【イベント報告】「学問への扉」シンポジウムが開催されました(2023/03/14)

開催概要

  • 日時:2023年3月14日(火)13:30~17:00
  • 場所:大阪大学豊中キャンパス 大阪大学会館アセンブリー・ホール
  • 形式:対面+オンライン同時配信
【会場入口】

 「学問への扉」の4年間を振り返るべく、シンポジウムを開催しました。当日は、会場50名、オンライン161名の合計211名が参加しました。田中敏宏理事・副学長(大阪大学)の開会挨拶にはじまり、第1部では1時間ほど大阪大学「学問への扉」の紹介が行われました。

第1部 大阪大学「学問への扉」 紹介

 まず、宇野勝博全学教育推進機構副機構長より、「学問への扉」の開設経緯が説明された後、村上正行全学教育推進機構教授より、「学問への扉」の4年間の経過やアンケート調査等の結果が報告されました。そして、授業実践として2022年度の学生アンケート調査で満足度の高かった、山本佳樹教授(人文学研究科)の「映画評を書いてみよう」、 加藤有己准教授(医学系研究科)の「パズルで学ぶアルゴリズム」の2事例について、どのような工夫をなされているのかなど、実際の取り組みについて紹介いただきました。

【会場の様子】

第2部 他大学における初年次教養教育 紹介

 第2部では、「学問への扉」(2019年度~)と同様にユニークな初年次教養科目を開設している、東北大学・東京工業大学・京都大学の取り組みについて、科目設置の趣旨、経緯、現状、今後の展望などを紹介いただきました。

 東北大学からは、中村教博高度教養教育・学生支援機構副機構長にお越しいただき、「学問論群」(2022年度~、改編前の「基礎ゼミ」は2002年~)について、研究型総合大学における分野横断型・学年進行型科目ならではの特徴を紹介いただきました。
 東京工業大学からは、三ツ堀広一郎リベラルアーツ研究教育院副院長にお越しいただき、「東工大立志プロジェクト」(2016年度~)について、大学院における高年次教養教育との接続のなかで報告いただきました。
 京都大学からは、余田成男国際高等教育院副教育院長にお越しいただき、ILASセミナー(2016年度~)について、「自由の学風」やグローバル化のなかでの動向をお話いただきました。
 各大学で取り組みの内容や設計は異なるものの、少子化やIT化、グローバル化など共通する社会背景のもとで学生の将来を長期的に見据え、よりよい初年次教育・教養教育のありようが探求されていることがわかりました。

第3部 パネルディスカッション

 その後行われた各大学の登壇者によるパネルディスカッションでは、フロアーからの質問に答える形で、各取り組みの具体的な運営方法や支援体制、大学入試制度や高大接続における課題、ChatGPTなど新たなツールの取り扱いなど、「いま」だからこその興味深い議論が展開されました。
 東北大学・東京工業大学・京都大学・大阪大学という先進的な取り組みを行う大学の関係者が議論を交わすなかで、「大学教育とは何か」「学生をどのようなに育てていきたいのか」など、本質的な論点にも話がおよび、短時間ながら充実したパネルディスカッションとなりました。

【パネルディスカッションの様子】

まとめ

 閉会に際して、初年次教育など大学その他の教育活動に助成を行っており、大阪大学も助成いただいている一般財団法人三菱みらい育成財団から藤田潔常務理事にお越しいただき、激励のご挨拶をいただきました。また、大阪大学の進藤修一全学教育推進機構機構長からもご挨拶があり、盛会のうちに終了いたしました。

 事後アンケートでは、大阪大学・他大学の関係者をはじめ、高等学校の関係者、企業関係者、一般の方と幅広い参加者の方から、「教養教育における様々な取り組みを知ることができ参考になった」「各大学が教育に取り組む大勢や方針について深く理解できる、貴重な機会となった」など、高い満足感を示す感想を頂戴しました。他方で、とくに高校の先生方を中心に、このような大学の取り組みや運営上の工夫について、さらに情報発信する機会を設けてほしいというお声も多数いただきました。今回のシンポジウムだけにとどまらず、引き続き積極的な情報発信や意見交換の場を設けることで、さまざまな方々と連携・交流しながら、よりより教育を実現していく必要性を再確認しました。

 改めまして、ご登壇・ご参加くださった皆様、日頃より「学問への扉」に関してご支援くださっている皆様に心より御礼申し上げます。

参考:事後アンケートの結果概要

  • 質問項目:回答者ご職業、第1部満足度、第2部満足度、第3部満足度、全体満足度、自由記述 ※満足度は「満足した」「やや満足した」「どちらともいえない」「やや不満」「不満」「聴講していない」
  • 回答期間:2023/3/14~2023/3/17
  • 回答方法:Google Forms
    回答数(登壇者・スタッフ除く):100名(回収率52%) ※回答数が100名のため、それぞれの度数と%が一致しています。